劇場版機動戦士Zガンダム第3部「星の鼓動は愛」鑑賞ノート

 昨年5月に第1部が公開されて1年足らずの間に、早くも完結編の登場です。人気が無ければ最後まで公開できないかも…という不安は杞憂に終わり、観客動員もベスト5にのる時がありましたし、DVDも売り上げ好調で、無事に終わる事ができて、不遇の時代を見てきたZファン(というかカミーユファン)としてはホッとしました。

 「誰も知らないラスト」、第3部は何といってもこれに尽きるでしょう。富野監督が劇場版を公開する前に仰っていた、「TV版とラストを変える」という公約(?)がどうなったのかがこの作品の話題の中心である事は、間違いの無いありません。

  そこは先に書く事にしまして、まずOPも無しにいきなり始まるアクシズとの会見(33話「アクシズからの使者」。そして、必ずあるだろうと思っていたダカールでのシャアの演説が見事にカットされていたのには驚きでした。キリマンジャロでのフォウのエピソードも、2部であれだけはっきりとフォウの命が奪われたので無し。もっと大胆なのは、39〜42話のロザミィ関連のエピソードそっくりスルー。時間の関係上仕方ないとは思っていますが、あれ自体は個人的に好きなので(カミーユと女性キャラの絡みは萌えます/アホ)、少々悲しかったです。ロザミィとの出会いと決別は、カミーユの精神が決定的に不安定になった部分でもあります。それゆえのカットでもあったと思われます。

 そして、ここからが劇場版ならではの編集の技!TV版のエピソードを細かくカットし繋ぎ変えて、ゼダンの門での戦闘→グワダンでのジャミトフ暗殺→コロニーレーザー発射→ティターンズ壊滅&アクシズ退却へとストーリーを展開していました(それ自体やっと把握したところです。もしかして間違ってるかも…不安)。この間、TV版のコロニーレーザーの争奪戦での、グワダンの攻撃による一時機能停止やメールシュトローム作戦は省略でしたね。気がついたら、エゥーゴがレーザー撃ってた!という感じでした。あれはTV版を知っていないと、いや何度も見ていないとまず理解不能(汗)。場面が次々に切り替わって、これはどの話数のどのシーンなのか、今どんな戦況なのかを追いかけるのがやっとでした(それでもついていこうとする自分って…汗)。

 特に49話部分はシーンがあちこちにとんでいて、脳内で解釈するのにかなり苦しみました。結局観終わってしばらくしたら、すっかりすっ飛んでしまったんですけど…(汗)。これは、TV版のフィルムに時々挿入された新作カットのせいだと思います。今回新作画は予想より少なかったです(特にZのバトル、もっと新作だと思ったけど予想外)。ラストは別として大事なシーンは、ほぼTV版使用でしたから。

 あ、忘れていました〜なぜかエゥーゴ艦内でクルー達がイチゴケーキを食べてる団欒風景は、当然ながらオール新作。あれはTV版の雰囲気とは真反対で、戦闘ばかりの中で唯一ホッとさせる場面でした。しかも、既に結構進んだ関係じゃないの?と思わせる、エマとヘンケンのやりとり(あれはかなり生々しい。てか恥ずい)が特筆もの。

 そして、問題のラストシーン。
途中までTV版最終話ほぼそのままに進行していたストーリーは、孤独な独裁者シロッコの死に際の捨てゼリフが変わった事で、次の瞬間全く違うものになっていました(汗)。ファの呼びかけに普通に返事してメットを脱ぐカミーユ。ここで思わずひっくり返りそうに(アホ)。その後エンディングまで勝利した喜びに盛り上がるアーガマのクルーやら、地上のファーストキャラ達(アムロ、フラウ、ミライ、カイ、セイラ)の安堵ぶりやら、至って普通に終わっていくラストを観ていくうちに「そうかぁ、Zでもふつ〜な終わり方出来るんだなぁ」と妙に納得してしまったのでした。

 この終わり方、富野監督の最近の作品の持つ雰囲気とほぼ同じ(ブレンパワード、ターンA、キングゲイナー)。TV版Zでバッドエンドを描いてしまった事への後悔やら反省の反動が、これらの作品の製作を経て一気に劇場版に流れ込んできた様な感じになりました。

 間違いなく今回のZ三部作は、TV版の否定からきています。Zのエンディングに影響されて「エヴァ」等、バッドエンドでもファンに支持されるアニメがその後生まれてしまった事への監督なりの返答なのでしょう。カミーユをあくまで普通の少年として描き(本当に今回はエスパー的なものは極力避けられてた)、精神崩壊しない終わり方をさせた事がそれを明らかに物語っています。そして第3部でのシャアの扱いの軽さ(本当に生死不明、というかどう見ても生きてないでしょ)。これも、シャアをカリスマにしない様に考えた結果ではないかと思っています。

 そんな風に終わった新しいグリプス戦役が宇宙世紀に与える影響は当然大きくて、このままいくとまずTV版ZZが歴史上から無くなりますね(ZZの始まりが無いっ)。下手をすると逆襲のシャアも無くなる可能性が…(汗)。富野監督のZに対する反省と某スポンサー(汗)の思惑が一致して、新しい歴史が作られそうな予感大です。それは今後のガンダムを見ていけば分かる事ですので、静観する事にしたいと思います。

 最後に、全3作を観終わって。
TVオンエア当時、散々な評価をされていたZガンダム。それが、20年経って光が当たり新作が劇場で鑑賞出来た事にはもう素直に喜んでいます。長くカミーユファンやってて良かったなぁ〜と(爆)。TV版と解釈が違う事については、特に是非はありません。これ程年数も経ってる上に、当時と時代の空気が違っている訳なんだし、全く同じものが受け入れられるとは思ってないです。ただ、やっぱり自分にとってのカミーユはTV版のなんだよね、というのはしっかり確認できたかなと(汗)。女の子にも負けない容姿、触れると壊れそうな繊細さがやはりカミーユの萌え点なんだと確信していますので…(アホ)。今回の劇場版は、そんなふる〜いファンへの贈り物だと解釈して纏めたいと思います(纏まってるのか…大汗)。


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