第11巻

39話「湖畔」

 この39話から42話はロザミィ編とも言いますか、カミーユの暗殺を目的として刷り込んだ上で送り込まれた、ティターンズの強化人間ロザミア・バダムとカミーユの引き合う様を描いたエピソードがメインとなっています。そして、この物語最後の、カミーユ個人にスポットを当てたお話です(43話以降は、戦局の推移に焦点が当てられる為、個人的なエピソードの割合は一気に減少)。

 中立コロニーサイド2の保養地へ休養にやって来たカミーユ(私服カワイイ♪/ただのミーハーです…)、ファ、シンタ、クム。そこへ突然、カミーユを「お兄ちゃん♪」と呼ぶ変な女の子が…。

 どう見ても勘違いつ〜か、人格を疑うようなロザミィの言動にあ然とする視聴者をほっといて(汗)、彼女に調子を合わせてしまうカミーユ、一人カッカするファが、かなり笑えますね。ファの「女好き(怒)!」(当然の指摘だ/笑)に、「そんなんじゃない」と真顔で言ってるカミーユって相当変わってるとしかふつ〜は見えないでしょう。

 こういう敵美少女潜入話って、かつての巨大ロボットアニメでは定番エピソードの一つで、「ゲッターロボ」とか「グレンダイザー」あたりでは超有名なものが沢山ありました。ニュータイプとか強化人間とか難しい事を抜きにすると、実にオーソドックスで古典的な展開と言えます。

 しかしティターンズは、ニュータイプ研を使い、マジでZガンダムのパイロットを始末しようとしていた様ですね。それくらい、カミーユのニュータイプ能力は、敵にも知られていてなおかつ危険視されていたという事が見て取れるわけですが、当の本人は殆どその事実に気づいてないようで、というか自分はいたって普通だと思っているはずなので、その辺異端視されていると言うのはかわいそうな気がします。

 結局、ロザミィは成り行きで、アーガマへ乗り込んでしまいます。当然の事ながら、他のクルー達は彼女の異様な行動に警戒心を抱くわけですが、それでもカミーユだけはなぜか受け入れているのでありました。

 あ、本当は他にも、通りすがりのMSを狙う面白いゲリラ兵の兄ちゃん達とシャアの戦いとか、ハマーンに行動の全てを管理されているミネバの悲哀とか色々あったんですよね…(はは)

40話「グリプス始動」

 大量破壊兵器コロニーレーザー、グリプス2の調査に向かったカミーユ達の前に現れた、ティターンズMSのパイロットは、かつての同志レコアだった…というお話です。

 ロザミィはシンタ&クムをすっかり打ち解けてというかすっかり同化して、無邪気に遊ぶ始末。その余りの幼稚ぶりにクルーの疑いは増すばかりで、とうとう軍医ハサン先生に精密検査を依頼する事になりました。

 その事を聞いたカミーユは激しく動揺、シャアの誘導尋問にも引っかかって、「強化人間だって言うんですか」と口走ってしまいます。彼も勿論ロザミィの異常さから疑念は抱いているんですが、何しろニュータイプどうしは本人の意思とは関係なく引き合うものらしく、どうにも彼女を否定できないのですね。いや〜こればかりは当人どうししか分からないしなぁ。そろそろフォウの死で深く傷ついた心に容赦なくキツい刺激が加わりそうです(涙)。

 そんな悩みがあったとしても戦いは待ってくれません。グリプス2の宙域でティターンズのMSと交戦状態に入るカミーユ達。その中に、懐かしい気配を感じ取ったカミーユは迷わずそのMSに向かっていきます。案の定、パイロットはあのレコア・ロンドでした(しかし、レコアもレコアだよな。何も機外へ出て姿見せんでも良かろうに/そ〜と〜性悪)。

 エウーゴへ来たばかりの時の様に、思いっきりレコアに甘えるカミーユ(本人は一人前の男のつもりでいたのでしょうが、まるっきり子どもの駄々こね)。レコアは、マザコンな彼にとって間違いなく母親的存在だったのでしょう。しかし、レコアはもうあの時のレコアではありません(一人の女ですから)。別れの言葉を言うとカミーユを突き放して、去ってしまうのでした(とことん意地悪な女だ)。

 アーガマへ戻り、ブライトやシャア達にその事実を告げるカミーユに激怒激怒のエマ、コワいです〜(相当ムキになってた)おかげでカミーユ、久々に彼女に2発もビンタを食らってしまいました(いい迷惑/言い返すカミーユもカミーユだが)。おまけにその事はクルーの士気を落とすであろうと心配するブライトに口止めされるのでした(でも、MSパイロットなら結局戦場で出会ったりするのになぁ)。

 口止めを命じるブライトに反発し、作戦室を飛び出すカミーユに、久しぶりエキセントリックな面を見られてファンは結構嬉しかったり。たまにはこういうお楽しみもないとねっ(所詮ミーハー)

 そうそう、ティターンズのバスクはコロニーレーザーを不完全ながら使用したんでしたっけ(おいおい)。あまりの巨大な力に、なすすべもないアーガマは撤退を余儀なくされ、カミーユも一人無力感に襲われるのでありました。


41話「目覚め」

 バスクの命令でコロニーへの毒ガス注入作戦の指揮をとるレコア。そして、アーガマでは、ロザミィの様子に異変が起きて…というお話です。

 身体検査を嫌がるロザミィを、シンタはなんとアメ玉一個で説得。その様子に言葉の無いカミーユとファ。強化人間かもしれないという疑惑を打ち消したいと思いながらも、ロザミィの兄を演じる事で、実は最も自分が疑っていると自覚しているカミーユの心情は穏やかなものでは無かったでしょう。

 それを知ってか、ハサン先生はカミーユには身体検査の異常が無かった事だけを教えて安心させ、血液検査の結果がクロであった事をシャアに伝えます。先生、クルーの健康を管理してる割に、カミーユのメンタルチェックが足りなかったですよね〜「心配だ」だけだったもんなぁ。状況が状況だから仕方ないけど、も少し踏み込んで診てくれたら、こんなにならなかったかもしれない(でも、精神安定剤飲んで戦う兵士っていうの、相当リアル過ぎ)。もっともそれじゃ、この戦争、シロッコに負けて全員戦死してるはず…むむむ。

 ティターンズの動きに対抗して出撃するカミーユの話から始まって、シンタの売り言葉にロザミィはロザミィのままいたって無邪気な心で、MSで出撃してしまいます。あの時シンタがあんな事言ったうえ、MSに乗る手助けをしなければ、ロザミィはエウーゴに危険人物として拘束されたことでしょう。エウーゴ的には、シンタには相当責任があると思われます。でも拘束された後の彼女の処遇の過酷さにカミーユが苦悩する事は確実なんで、どっちもどっちといえましょう。

 毒ガス作戦を遂行したレコアに相対するカミーユの元に難なく飛んで来るロザミィは、MSを手足の様に操り彼を驚愕させます。そして、ついにロザミィはロザミアに戻ってしまうのです。Zガンダムに銃口を向け、「Zガンダムの破壊とパイロットの抹殺」を口にするロザミア。Zの悲劇がまた一つ生まれた瞬間でした。

 そしてこの時、カミーユの、今まで忘れようとしていた、フォウとの悲しい別れの傷跡がまた開いてしまった事は間違いないでしょう…悲しいけど…。


42話「さよならロザミィ」


 医務室で、ハサンから強化人間についての説明を受けるシャア、エマ、カミーユ、ファ。人間を実験動物のように扱う強化人間研究のあり方に怒りを隠せないカミーユは、すぐに医務室を飛び出してしまいます。それに対して、理屈としては人工的なニュータイプの創造にも否定的でないシャアの考え方はいかにも大人と言ったところです。

 一方、フォウが精神を破壊された挙句、非業の死を遂げた事を目の当たりにしているカミーユに、そのことを何も知らないファは、ロザミィと戦えるのかと、素朴な疑問をぶつけてきます。それってかなり無神経な行為なんだけど、まぁロザミィに多少の嫉妬心を抱いていた彼女にしてみれば仕方の無いことかもしれませんが(戦う事をインプットされてるって、ロボットじゃあるまいし…すごい解釈だ)、結果としてカミーユの怒りを買ってしまい、またもや二人の気持ちはすれ違ってしまうのでした。

 再び戦いが始まり、カミーユはロザミアと再会します。ロザミィとしての記憶が蘇った彼女は、カミーユとともに初めて出会ったサイド2の湖畔でひと時を過ごすのですが、兄妹というよりは恋人のノリです(キスしてるし)。ニュータイプ同士は愛とか恋とか関係なしに引き合うという説がありますが、異性だとどうしたって互いに好意を持ってるんでしょう?って言いたくなりますよね。実際ガンダムシリーズでは、同性のニュータイプが引き合うエピソードは無いですからね(ファンだって余り見たくないと思う)。

 そこへやって来る邪魔者、じゃなかったロザミアの監視役ゲーツとローレン。百式とのバトルで破損したMSから発せられた異常な電波によって、今までロザミィであった事を忘れたロザミアが、人格を一変させ、MSに乗り込んでしまいます。カミーユに容赦なく攻撃を加えるロザミア。その銃撃を生身でかわしまくるカミーユに、ストーリーを無視してまず驚きです。あれだけ激しくちゃふつ〜無傷でZに戻れんでしょう。これもニュータイプ能力?

 ロザミアに追い詰められても、さっきまでのロザミィが脳裏に浮かんで反撃できないカミーユ。これが彼の言う、「人殺しは出来ない」という事なんですね。でも、だからといって名も無い敵をガンガン撃ち落してるのが人殺しじゃないはずはありません。例えば現代の日本で一人殺せば殺人で罪に問われる訳ですよね。だのに、戦争という状態の中では一人の命はとても軽くなってしまいます。条約で禁止されている以外の環境を汚染しない安全な兵器とか、軍事施設なら以外なら空爆しても正当性が認められる、なんておかしな理屈が通ってしまうんです(悲しいことに現実でも)。

 だから、当然カミーユのやってる事も人として罪を受けるに値する行為なのです。真面目に突き詰めすぎててすごくシビアな話ですが…(しかし言ってしまえばヒーローみんな同様な事やってるわな)。

 結局、辛くもロザミアの攻撃を逃れたカミーユは、シャアに導かれて戦線を離脱します。彼女が敵だと言う現実を受け入れられない辛さがいつまでも彼の心を苛むのでした。


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