第10巻


35話「キリマンジャロの嵐」

 この35話から38話は、第3クールの終盤とあって、ストーリーを劇的に盛り上げ、さらに最終クールへの橋渡しをする展開となっています。そして、この回と次の回は、フォウとカミーユの恋物語フィナーレ編ですね。という事もあって、思いっきりメロメロなムードでいっぱいです(あ〜マジでSEEDを笑えなくなってきた/汗)

 キリマンジャロのティターンズ基地攻撃作戦中、ヤザンのMSに撃たれて地球へと落ちていったシャアの百式と、彼の危機を知って駆けつけたカミーユのZ。ウェブライダーの上に百式を乗せて降下するシーンは、絵的にもかなりカッコ良いですよ。変形のメリットここにありって感じですか。

 運良く基地内部に潜入出来た二人。先に、サイコガンダムを目にしたカミーユはフォウがいることを確信して、まるで取り付かれたように前進前進(基地内、めちゃくちゃ無用心なのでとってもすんなりと入れてしまうのが笑える)。ティターンズのヘッド、ジャミトフに出くわすわ、気がつけばフォウの実験室にいるわ、もう一気な展開であります。
しかし、フォウはすっかり人格が変わっていて、これにはカミーユも愕然。それでも彼女を撃とうとするシャアを涙目で止めて、あくまでも信じようとするんですね。おかげで全く戦えず、無理矢理アムロ達に連れ戻される始末で、まさに悲劇の恋人同士になってしまい、話はそのまま次回へと続くのでした。

 この回はせっかく好みのラブラブ話なのに、肝心の作画のレベルが良くなくって、全50話中で一番描き直してほしいと真剣に思っています。戦闘シーンでもキャラクターの描き間違いとかあるし。フォウのアブない表情やカミーユの悲痛な顔が過剰に迫力ありすぎて、かえって引いてしまうのが悲しい〜何とかならないかなぁ…(そんな無茶な/汗)


36話「永遠のフォウ」

 作画監督北爪氏の気合い入りまくりで否応なしに盛り上がるこの回は、全エピソードの中でも作画だけの評価では屈指の出来になっています。

 「強化人間を元に戻すのは無理」と言ったシャアに、「絶対取り戻してみせる」とタンカをきったカミーユ、ティターンズ兵のコスプレ(どこから手に入れた?カラバの調達品??)で、キリマンジャロ基地に単身潜入。周りなんか全く気にもせず、考えるのはフォウの事のみ!

 その気配を感じる入浴中のフォウ。しかし、日本式のバスタブっていうのは、ちょっとファンサービスし過ぎ?それはともかくとして、互いのオーラを放出しあう二人は複雑なはずの基地内で真っ直ぐに感動の再会を果たします。

 さて、ここからがメロメロドラマの始まり。前回の異常さとうって変わって、ホンコンの時以上にストレートに愛情表現をするフォウに、複雑な思いを抱きつつも再会の喜びをかみしめるカミーユでありましたが、その幸せもほんの僅かでしかありませんでした。

 突然激しい頭痛を訴えるフォウの為にナミカーのところへ薬を貰いに行ってからがもう大変。カミーユは、ナミカーに素性がバレるし(大体何でこの人、見ただけでカミーユって分かるの?ニュータイプ研では超有名と見た…でもそれって全然嬉しくないよねぇ)、なぜかこの基地に来ていたジェリドにしつこく付け狙われるしで、結局フォウとともに基地を脱出する事に。この時の二人が肩を寄せ合って医務室を出て行くシーン、何かどこか遠くへ駆け落ちするカップルみたいに見えたんですけど…それって感覚古すぎますか?(汗)

 外ではカラバとティターンズが戦闘中。必死で基地から離れようとする二人でしたが、戦いの空気と爆発の閃光に反応したフォウは、突然強化人間としての記憶が甦り、止めようとするカミーユに、「倒すべき敵」とナミカーにインプットされた彼の情報を冷たい口調で喋ります。愛する者に「敵」とか言われ戦いを挑まれるカミーユの心中は察するに余りあるよね。

 シャアの言う大人の理屈が全く耳に入らないまま、サイコガンダムに取り込まれて自我を失っているフォウに呼びかけるカミーユ。フォウは基地の爆発に巻き込まれ気を失うものの、そのおかげで優しいカミーユの声を聞く事が出来るようになります。しかし、今しも心を開こうとした彼女の目に映ったのは、Zを襲うMSの姿。そしてフォウはカミーユを庇って、短い命を散らしてしまいます。フォウに何も伝えられずに終わってしまった悔しさ、悲しみからカミーユは彼女の亡骸を抱えて泣き崩れ、その場を動こうとしなくなくなるのですが、強引にシャアが回収。「君は今死ねない体だ」と。これは辛い。大きな心の傷を抱えながらなおも闘わなければならない、これからのカミーユの苦難を暗示するような悲痛なセリフでした。

 ここを境に、カミーユは戦闘に臨む姿勢が少しずつ変わっていくのですが、それはラストへ続く悲劇への始まりでもあり、この回は本当に見返せば見返す程、悲しくなってきます(涙)。フォウは、死んでも愛する人の中で生き続けられるから幸せ、だと言ってたけど、そんな事無い!生きて、お互いが触れ合ってないとさ、やっぱ駄目だよ、人間は…(大泣)。


37話「ダカールの日」

 ダカールの地球連邦議会をジャックして、シャアの演説を全世界に流そうとするエウーゴとそれを阻止しようとするティターンズの戦いがメインのお話です。

 組織VS組織の戦いなので、カミーユ個人に関するエピソードは殆どありません。もっとも、フォウを失ったばかりの彼の心情など描いていたら、とてつもなく内面的で真っ暗なストーリーになってしまうでしょうね(それも見たい気はするが)。なので、今回の展開はタイミング的には良いと思います。

 ひたすらシャアのサポートにまわり、エウーゴの正当性を証明する為、ティターンズのMSを撃墜しないように頑張るカミーユがいじらしくて泣けます。この時からきっと彼は自分がシャアの盾になる事を決心したと思うのです。それはラストで、あの天敵(笑)ベルトーチカと交わす言葉でも表されています。「全ての人々と共感できる世界を作れたら、いつか死んだ人=フォウにも逢える」から、シャアの語った理想を叶える為に自分の役割を果たすのだと…。そして、ここからカミーユは無意識のうちに自らに過酷な課題を課すことになってしまうのでした。


38話「レコアの気配」

 この回は何と言ってもラストに、カミーユファンにサービス!としか思えないような、シャワーシーンがあります。そのことをすっかり忘れていた自分(カミーユファン失格だよ/汗)は、偉そうにSEEDファンの娘達(当時)に「女性ファン向けのシーンなんてZにはないよ〜」などとのたまっていたのですが…もう言えないです(大汗)

 再び宇宙を目指し、アムロの援護を受けてシャトルで重力の縛りから飛び立つカミーユとシャア。シャトルの中で、二人は争いを終わらせ、理想の世界を作る為にどう動くべきなのか語り合っています。この会話はもう十分哲学の領域に入っているかも。それくらい子ども視聴者には???という難しいものでした(リアルの時は全然聞いてなかったような気がするよ、シャアの台詞←カミーユばかり見てた/汗)。いかにも富野アニメらしいシーンです。

 自分の成すべき事に気付き始めたかのように、カミーユのニュータイプ・センサーはいっそう鋭敏になって、アーガマの状況を瞬時に感知し、シャアにアドバイス。そしてシャトルを軽くする為に荷物を捨てる時、ベルトーチカのお土産に気を配るカミーユは、明らかに物語当初と雰囲気が変わりました。最終回に向けての危険な予兆はこの時からあったのでした。リアル時は、「カミーユいい子になったんだなぁ〜」などと暢気に喜んでたのですが、ぜ〜んぜん分かってなかったようで…(汗)


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