1978年


アニメ変革期その3:映画「宇宙戦艦ヤマト」の大ヒットに端を発した松本零士ブームが始まった年です。この一年だけで氏が何らかの形で関わったTVアニメが4本放映されています(「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」「SF西遊記スタージンガー」「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト2」)。それだけではなく映画でも「さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち」が公開され、前作を上回る人気作となりました(映画館の深夜の行列、メディアに取り上げられてましたね)。
 その他では、過去のヒット作をリメイクした作品が多く放映されました(「科学忍者隊ガッチャマンU」「新エースをねらえ!」「宇宙戦艦ヤマト2」)。目新しい企画が見当たらず、かつての人気に頼ろうとした苦肉の策とも取れますが、それだけこの年あたりからアニメーションのジャンルがある程度固まってきたことの証でしょう。またTVアニメを視聴する年齢層への更なる意識が製作会社、テレビ局、スポンサーに芽生えてきたであろう事も否定できません。それがアニメファンにとって大いなるメリットも生んだ反面、純粋に子供番組としてのアニメの発展に多少なりとも影を落としていくわけです(その一翼をたぶん担ってるわ自分…)。
 出版物では、アニメブームにあやかろうとアニメ関連の定期刊行が始まっています。徳間書店の「アニメージュ」はこの年の夏に創刊され、人気アニメの特集、製作スタッフの紹介、声優へのスポットライト等々これまでに無かった内容でファンの心をくすぐり、読者を増やしていきました。その後、後発のアニメ誌が発売されては消えて行く中、「アニメージュ」は今や押しも押されぬ老舗雑誌となっています(こんなに続くとは想像もしなかった)。すごい!

<管理人のうろ覚えメモリー>

 前述の「アニメージュ」創刊号買いました。現在と比較すると本当ちゃちな記事(すみません)でしたが、大好きなアニメの情報が先読みできるとあってもう嬉しくて嬉しくて〜♪それまで「OUT」などで少しアニメの記事が掲載されていたものの、他にたいした情報源が無かったのだからこれはもうカルチャーショックといってもよいくらいです。増刊の「ロマンアルバム」も買っていたし、マンガやレコードにもつぎ込んでとにかくお小遣いの忙しい時期でした(中学生の分際でホントよくやってたなあ〜)。そのうえ、ヤマトのおかげでアニメグッズも販売されるようになって、下でも書いているように、「ダイモス」のグッズを探し歩いたり、一体何やってたんだか…(若かったわ〜)。その「ダイモス」ですが、同人誌に初めて触れた記念すべき作品でもあります(今でいう「やおい」とも知らずに買ったものもありましたよ…)。
 しかし、関連グッズなら本当何でも良いっていう心理、今も大して変わってない感じが…(最近身に覚えあり。ははは)。


<お勧めセレクション>
1.闘将ダイモス(78年4月〜79年1月):滅亡した母星の代わりに移民できる惑星を求めてさすらう、白い翼を持つバーム星人と地球人が、一部の悪意を持った分子による陰謀から戦争状態に入ってしまいます。そんな中で、地球側の主戦ロボ・ダイモスの操縦者竜崎一矢とバーム星人エリカが、出会い愛し合うようになっていく事から始まる、一大ラブストーリー&平和への苦闘物語を描いた(一応)ロボットアニメです(う〜あらすじ説明がこんなに難しいとは思わなかった…)。
 とにかく、劇中のウリ・主役カップルの「エリカぁぁぁーー!」「一矢ぁぁぁー!」の叫びに、恥ずかしながらマジ感動してシビれまくっていました。自分はノーマルラブ好きなのね〜と自覚するに至った記念すべき!?作品なのです。ビデオなんてまだ無かったので、ラジカセで本編を録画したものをせっせとお勉強の友にして聴いていました(おかげで現在も台詞がふと浮かんでくる)。あと、作中の挿入歌やBGMに興味を持ったのもこの作品から。今みたいにグッズも豊富じゃなかったので、レコードは勿論、関連商品はかなり貴重だった記憶アリです。
 番組は視聴率は好調だったものの、関連玩具売上の低迷から話数の短縮を余儀なくされて1年間放映の予定が結果的に10ヶ月になってしまいました。その為、最終回は駆け足の展開となり、クライマックス、一矢・エリカのラブラブモードがあっという間に終ってしまった事がファンとしては悔しかったです。そりゃ現在のススんだカップルと比較すればキスはおろか抱擁さえしなかったお堅い二人の関係でしたが、それはそれで思い出してみると又良いんですよね(やはり特Aな作品についてはつい語ってしまう〜)。

2.宝島(78年10月〜79年3月):スチーブンソンの名作冒険小説を原作に、監督出崎統氏が独自の解釈を加えて脚色したオリジナルアニメといってもいい作品です。少年ジム・ホーキンスが大人たちと宝の眠る島を探しに海へ旅立ち、様々な危険を乗り越えて成長していくというのが大まかなストーリー。彼に大きく関わってくるキャラクターが、最終回の台詞が今も印象に残る、この物語を知る方ならよくご存知のジョン・シルバーです。原作ではいかにも悪人っていう描かれ方でしたが、この作品では、ジムを大人へと導く役割を演じています(ジム曰く「俺のジョン・シルバー」が何ともvv)。杉野昭夫氏のすばらしい作画も相まって、これぞいい男の見本、って感じでしたね。
 町田義人氏歌うところの、OP&ED主題歌もロマンたっぷりの名曲でいつ聴いても泣けてきます(TVアニメ音楽スタッフリストの項参照)。この作品のような「男らしさ」は、現在のアニメでは正面きって語られる事が少ないのではないでしょうか(時代ですね〜)。

3.キャプテン・フューチャー(78年11月〜79年12月):NHK放映のオリジナル連続アニメ第2作(第1作はあの「未来少年コナン」)。宇宙を股にかけて悪と戦うヒーロー、キャプテン・フューチャーとその仲間たちの活躍を描くスペースオペラです。放映開始前後は「アニメージュ」などで大々的に取り上げられ期待の高かった作品でした。ただし、原作の書かれた年代より現代の科学が進んでいた為、アニメにする際に設定など大分苦労があったようです。
 アニメを見てから原作にハマり、シリーズ全作読みました。結論は「小説の方がキャラクターがイキイキしていて面白い!」。アニメは細かいSF設定にこだわってしまい、却って小さくまとまりすぎたような気がします。ヒーロー物らしく燃えるストーリーでもなかったし、何より主人公カーティスの性格が、原作の「くそったれ!」豪快から「ですます」調の紳士になってしまったのが、いかにもNHKって感じで、残念でした。
 でもおかげで一時でも古典SF小説に触れる事が出来た(他のSF小説にもトライしましたよ〜途中挫折、何冊もしましたが…)、という意味から、今でも忘れられない作品なのです。


<作品年表>  (全25本)
作品タイトル 放映年月日 製作会社 放映キー局 原作
ペリーヌ物語 1978/1/1〜1978/12/31 日本アニメーション フジテレビ E・マロー
すばらしい世界旅行・恐竜王国の興亡 1978/2/12〜1978/5/28 映像記録 日本テレビ
ピノキオの宇宙大冒険 1978/2/13〜1978/2/20 日本アニメーション ABC
魔女っ子チックル 1978/3/6〜1979/1/29 東映(東映動画) テレビ朝日 永井豪
宇宙海賊キャプテン・ハーロック 1978/3/14〜1979/2/13 東映動画 テレビ朝日 松本零士
闘将ダイモス 1978/4/1〜1979/1/27 東映(日本サンライズ) テレビ朝日 八手三郎
SF西遊記スタージンガー 1978/4/2〜1979/6/24 東映動画 フジテレビ 松本零士
未来少年コナン 1978/4/4〜1978/10/31 日本アニメーション NHK A・ケイ
一球さん 1978/4/10〜1978/10/23 日本アニメーション フジテレビ 水島新司
まんがはじめて物語 1978/5/6〜1984/3/31 DAXインターナショナル TBS
無敵鋼人ダイターン3 1978/6/2〜1979/3/30 日本サンライズ 名古屋テレビ 矢立肇、富野喜幸
はいからさんが通る 1978/6/3〜1979/3/31 日本アニメーション テレビ朝日 大和和紀
星の王子さまプチ・プランス 1978/7/14〜1979/3/27 ナック テレビ朝日 S・テグジュペリ
宇宙魔神ダイケンゴー 1978/7/27〜1979/2/21 東映(鳥プロ) テレビ朝日 酒井あきよし
100万年宇宙の旅・バンダーブック 1978/8/27 手塚プロ 日本テレビ 手塚治虫
銀河鉄道999 1978/9/14〜1981/3/26 東映動画 フジテレビ 松本零士
大雪山の勇者・牙王 1978/9/23 日本アニメーション フジテレビ 戸川幸夫
科学忍者隊ガッチャマンU 1978/10/1〜1979/9/30 竜の子プロ フジテレビ 吉田竜夫
まんがこども文庫 1978/10/6〜1979/9/28 グループ・タック TBS
宝島 1978/10/8〜1979/3/25 東京ムービー 日本テレビ R・スチーブンソン
新エースをねらえ! 1978/10/14〜1979/3/31 東京ムービー 日本テレビ 山本鈴美香
宇宙戦艦ヤマト2 1978/10/14〜1979/4/7 オフィス・アカデミー 読売テレビ 西崎義展、松本零士、舛田利雄(原案)
ピンクレディー物語・栄光の天使たち 1978/10/24〜1979/6/24 東映(T&C) 東京12ch. 加納享一、相馬一比古(原案)
キャプテン・フューチャー 1978/11/7〜1979/12/18 東映動画 NHK E・ハミルトン
町一番のけちんぼう 1978/12/24 トップクラフト テレビ朝日 C・ディケンズ