プラネテス

 ちなみに原作未読です。

 初めは、下の娘(当時中3)がリアルタイムで見ていて、「何か難しそうなのやってるな〜」くらいの印象しかなかったです。転機は、フォンブラウン号乗組員採用試験でのハチマキがチェンシンに怒鳴ってたシーンかな。あのハチマキの思いつめた表情に「おおっ!」と来たんですよね。それから真面目に見始めたら既に終盤だった、と言う事で、改めて鑑賞しました。

 前半部は初めてでしたが、キャラクターの紹介とか人間関係とか地球の状況とかをきめ細かく描写してあって、なおかつ楽しめるエピソード満載でした。宇宙時代の日常生活もいかにも実現しそうな雰囲気で、物語に入り込むことが出来ました。

 後半部は、谷口悟朗監督お得意の、一気に進むハードな展開でドキドキし通し。ハチマキが自分を追い詰めていくところ、タナベに突きつけられた現実など、結末が分かっていつつも、先が気になって仕方なかったです。

 最後は、ようやく探した答えの入り口に立てた、タナベとハチマキの幸せな姿に涙ウルウル。25話ラストなんて、もうボロ泣きでハンカチぐしょぐしょでした(汗)。リアルタイムの時はそれ程感動した訳ではないのに、妙に二人のハッピーエンドだけが印象に強く焼きついてたようです(ノーマルカップリング推奨派)。それが証拠に、1話鑑賞の時点で早々とジ〜ンな気分になってました…何でだろう(今でも不明)。そ、そういえばこの作品、『ボーイ・ミーツ・ガール→結婚』だよね。って事は、典型的少女マンガパターンだ〜だからハマったのかも(手を叩く/汗)

 谷口監督の作品は「リヴァイアス」や「スクライド」でも同様ですが、これでもかこれでもかとキャラクターを追い詰めるけど、最後はハートウォームな終わり方をするので、かなり好きなタイプの部類に入ります。ちょっと男気に走りすぎて、女性キャラクターが守られる側に偏りがちになりますが、プラネテスでは、フィーやエーデルが行動的なキャラとして超カッコ良く描かれていました(結構嬉しかったり)。

 そして、谷口作品に欠かせないのが、OPフィルム。全26話中、何パターンもあって、早送りすると絶対に損をします(かつてスクライドでそれをやり、劉鳳ヴァージョンOP見逃した人/汗)。プラネテスでも、ハチマキの内面を、もう一人の彼との距離で的確に表していました(25、26話でのこのカットは象徴的)。弟である九太郎(保志クンサイコ〜)の成長振りも、彼自体数度の登場しかないから余計に、月日の流れを感じさせるのにぴったりな演出で良かったです。

 OP&ED担当の酒井ミキオ君は、スクライドを見てから超ハマったアーティストさん(これは強調したい)。宇宙時代だからこその、アコースティックな温かみのある歌が後からじわ〜っと沁みて来ます。実はリアルタイム時は、「何か作品と合ってなくない?」などど、今思うとかなり失礼な事を考えてた様な…なのでここで言わせて下さい〜「すみません!!」と(アホや)

 入れ込み過ぎて各話感想まであります(途中からですが/汗)。興味のある方は↓を覗いてやって下さい(大汗)。


                                            


 9話「心のこり」
 ハチマキの先生役だったギガルトの隠された病を知ってしまうタナベの動揺ぶりと、ギガルトの、遠くない死を目前にしてのハチマキへの思いやりがとても印象的でした。弟子を気遣う、「先生」の優しさにジ〜ンときてしまいました。

 10話「屑星の空」
 デブリ課のメンバーの中で何かと謎の多いユーリの事情が判明。デブリが原因で起きたシャトルの事故で妻(とてもカワイイ)を失っていたとは…。同じ事故を防ぐ為&妻の遺品を探す為に、地味なデブリ回収の仕事頑張っているんですね(妻は日本人)。大気圏に落ちるユーリを助ける、ハチマキとタナベの命がけの行動には思わずハラハラ(ガンダムでもお馴染、引力と摩擦熱の恐怖)。ラスト、ユーリがやっと見つけた遺品のコンパスには、夫の無事を祈る妻の言葉が刻まれていて…これは泣けます!(OPにも登場)

 11話「バウンダリー・ライン」
内戦が続く発展途上国の民間会社が開発した、どう見ても旧式な宇宙服(?)。会社の誰もが相手にしない、このスーツをハチマキ達が規格テスト。時代が進もうと変わらない、地球上の力関係(富の偏り)をイヤでも見せ付けられて、胸が痛くなりました(実際の未来も変わらないと思うから)。ホントに地球上には線なんて引いてないのにね…。このエピソードは、後半のハードな展開の伏線のような感じです。

 12話「ささやかなる願い」
 喫煙所がテロの標的にされた為、行く先々でタバコが吸えず、次第に壊れていく(笑)フィーに大笑いしてしまいました。結果的にテロ阻止もしてしまう彼女は本当にスゴい姉さんです。キレていても、判断が的確で操縦の腕前がハンハじゃないんだもんね。フィー、大好きだ〜!

 13話「ロケットのある風景」
 12話で失ったデブリ課の作業船を新造する間、地上に降りた面々の休暇。なぜかハチマキの実家に泊る事になったタナベが、徐々にハチマキを意識するところが少女マンガみたいでカワイイです。もう少しのトコでキスし損ねるのも微笑ましい。
ユーリも、ハチマキの弟九太郎(スゴイ名前…)の純粋な(ある意味バカ)宇宙への思いに刺激されます。大事な妻の遺品(コンパス)を手放し肩の荷を降ろすんですが、その後のかる〜い口調に解放感が感じられて良かったですよ〜そうそう、久太郎の声、保志総一朗くんだったんだ〜(これはリアル視聴の下の娘も知らなかった)。彼はホント谷口作品の定番声優だよなぁ。

 14話「ターニング・ポイント」
 ほぼハチマキとタナベの痴話ゲンカかな。社内の序列も無視、実験用モジュールを協力して救った二人はすっかり仲直りして…う〜ん、こういう展開好きだなぁ〜(ノーマルカップリング大好き派)でも、これから徐々に(一気に?)ハードになっていくんだよねぇ(谷口監督の得意技?スクライドもそうだったし)。
 それから何気にOPフィルム、マイナーチェンジしてました。各キャラ紹介の背景と九太郎&お母さんの映像(まだあったけど覚えられなかった/汗)。星野家のか〜さん、すっごく肝のすわった大人物だよ。マジで見習いたいです〜

 15話「彼女の場合」
 謎の(?)派遣社員エーデルのキャラ紹介編。クールに見える彼女も、実は自分を高めたいと願う熱い心の持ち主でした。クレアもそうだけど、恵まれない環境をバネに頑張っているのに、国家間の力関係や富の差がある為、能力を評価される可能性が極めて少ない、という不平等に理不尽さを覚えます。でも、それが現実社会の映し鏡であるという事は、大人なら理解できる訳で。やはり悔しく切ない事ですね…。

 16話「イグニッション」
 回収作業中の事故が元で、宇宙への恐怖感にとらわれたハチマキ。師匠(?)ギガルトの計らいで、木星航行宇宙船のエンジンを見、自分を取り戻します。現実に埋もれて安息に生きるか、辛く厳しくても果てしない宇宙への夢を追うか、二者選択を迫られるハチマキの選んだ道は当然ハードコース。と言う事は、安らぎ=タナベとは道が分かれる事。いいね〜こっからあのストイックなハチマキが始まるんだもんね。タナベには悪いけど、そっちの方が断然彼はカッコイイです!

 17話「それぞれの彼」
 ハチマキの父ちゃん、ゴローさん登場。さすが英雄だけあって変人です。エンジンの実験時に起きた事故の際の、宇宙船しか気にかけない開発者の(名前忘れた/汗)コメントに身震いし、協力を申し出るところがスゴかった。その姿に刺激を受けて、フォン・ブラウン号の乗組員を目指し特訓に励むハチマキ。次第に置いてけぼりにされていくタナベの姿が痛々しいです。あのあま〜い二人の世界はここへ至る為に必要な過程とはいえ、彼女がとても幸せそうだったから余計に残酷かも。

 18話「デブリ課、最後の日」
 デブリ課解散の危機。そんな時でも彼らは、漂流中の宇宙船を救助し、宇宙機雷を人道的な理由から回収します。普段はいい加減な課長と冷静なエーデルが、トイボックスを守る為、上司相手に大暴れする所がイイ!係長補佐のラヴィの葛藤も大人として良く分かるよね。現実にはあんな逆転劇なんかまず無いけれど、誰もがそうなりたいと思っているから、感動&共感できるのです。しかしデブリ課の面々が纏まっていくのとは対照的に、どんどん自分を追い詰めていくハチマキ。彼にとって、機雷の回収もフォン・ブラウン号に乗る為の模擬試験でしかないという、あの温度差がスゴい。放送当時、その緊張感に惹かれたんだよね。

 19話「終わりは いつも…」
 会社を辞めて、フォン・ブラウン号の宇宙飛行士採用試験に臨むハチマキ。そうそう、潜水試験の時溺れてた他の受験者を、救助せずに作業して合格したんだった。その溺れた人は物見遊山で来たテニス選手だったんですね。あのマッドサイエンティスト、スミス博士相手では無謀な挑戦といわざるを得ません。人間としての情と相反する、多くの犠牲も厭わない未知なる世界への野心が同時に描かれていて、思わず考えさせられます。ラスト、血管切れそうなハチマキの顔はリアル時から忘れられない程印象的。

 20話「ためらいがちの」
 タナベがデブリ課に配属されてはや1年が経ち、新人を迎える事に。しかし、来たのはクレアだった…。これも良く覚えてるなぁ。この人エリートっぽい口調だけど、どうしてデブリ課に?と思ってたけど、色々苦労してたんですね。やっと事情が飲み込めました。ハキムといい、富と権力の格差に泣かされている人をここまで追い詰めるとは、スゴイ描き方。実際、生まれた場所や持っているもので、社会的な人間の価値が決まってしまう事が多いからね。悲しいけど…。一方ハチマキは、過酷な閉鎖環境試験にも合格。でも夢を叶える為とはいえ、あんなに自分を追い詰めちゃいかんでしょう。ギガルトさんも心配してたしね。タナベはタナベで、ハチマキに言葉で殴られてボロボロのチェンシンに…(うわぁぁ〜!)。何かもう土曜朝に見るアニメじゃないよ〜
 この後、タナベはクレアに「愛なんてキレイ事だ」ってツッコまれるんだよな。あぁ〜クライマックス思い出してきた…(じ〜ん)

 21話「タンデム・ミラー」
 フォンブラウン号を狙うテロが少しずつ動きを見せ始めます。そういう色んな事情は抜きにして(しちゃいけないんだけど/汗)、宇宙を目指す同志だと信じていたハキムがテロリストだと知り激しく動揺するハチマキがキモ。エンジンの爆破は止められないわ、ハキムは取り逃がすわで屈辱と悲しみで彼の心は千切れそうになります。これでもかとばかりに追い詰められて(自ら追い詰めて)行く様は本当に壮絶の一言です。一方のタナベもデブリ課に左遷されて卑屈になっているクレアに、「甘い、世間知らず」と突っ込まれてしまいます。クレアが今ある自分の有様を他人のせいにするところ、某マンガの某キャラに重なってしまったりして…(汗)確かに他人に責任を押し付ければ楽になれる事もあるからね…。問題はそこから変われるかどうかということなんでしょう(これも某マンガからの受け売りかもしんない/汗)。後小ネタでは、フィー姉さんの久々ニコチン切れの表情が見られて大拍手♪あれサイコ〜っす!

 22話「暴露」
 テロ関与の疑いで事情徴収されるクレア(「中途半端に優しくして…!」はやっぱ某キャラとかぶる)。貨物担当に格下げされていらだつチェンシン(ハチマキに言葉で殴られたのが効き過ぎ)。他、国際会議が宇宙で開かれるとか、テロの仕込が着々と進んでたとか色々ありましたが(またこれかい/汗)。ハチマキは、父親のように慕っていた(変な父なら健在)ギガルトの死にショックを受けてもう爆発寸前。ハキムの事もあったからもう誰も信じられなくなってしまったのですね。それが証拠に、悪魔の声というか闇の部分(というか弱い部分)に負けてせっかく会いに来たタナベに酷い言葉を投げつけます。でもそれって、寂しくて優しさが欲しいのを誤魔化す為に強がって見せているだけ。宇宙に行く!という強い意志があると信じ込む弱い心の現われなのですよ。絶対これ、タナベだからこんな酷い事言えるんだと思うもんね(甘えとる!)。そういう男のダメダメな部分をカッコよく見せている演出がまた嬉しい。そんなヤツなら普通見捨てちゃったって誰も責めないと思うんだけど…タナベは偉い!あとエーデルが超カッコ良かった〜実はタナベ応援団団長?(笑)

 23話「デブリの群れ」
 テロリストの狙いは国際会議ではなく、フォンブラウン号。周到に用意された計画で次々と破壊と殺戮が行われます。崇高な思想によって行われたとしても、所詮人殺しには変わりないのに…(それが証拠に突入メンバー殆ど死亡)。いつしかテロに身を投じているクレアは、その思想を信じつつも心の何処かでは空しさを感じていたのかもしれません。ハチマキは、ハキムとの因縁を断ち切る為に待ち伏せ。銃を構えたその目はカンペキにイッちゃってます…。自分が弱くない事を証明したい一心なんだよね。でもそれが逆に弱さを表している事も気づかないところがイイです。こんなに極端に走れる事は世間一般では当然出来ませんから(当たり前!/汗)。一方、タナベは血まみれに怯えつつもハチマキ捜索。これってまずありえないけど、捜してもらってる人はホント幸せもん♪

 24話「愛」
 フィーとユーリが、トイボックスを使ってフォンブラウン号の軌道を変えようと向かうところがカッコ良かったです!貨物船担当にまわされていたチェンシンも同様の行動をとりますが、この辺は逆襲のシャアを思い出したり(オタクですみません/汗)。自分を犠牲にというより、ただ目の前の危機を何とかしたい一心の行動がイイです。こういう人間として当たり前の事が出来る彼らが羨ましいな(タイムレンジャーみたいだね/TRファンです)。
 ハチマキとハキムの銃争奪戦は、スクライドでのカズマと劉鳳のガチンコバトルに似てるかな(もちスクライドの方が激しいけど)。結局、銃に手をかけたのはハチマキ。ハキムに対してのリベンジというより、強くありたいと願う自分の思いを叶える為だけの行動にも見えます。
 一方のタナベは、重傷のクレア(テロに参加)を担いで、通信施設のある場所(遠い)を目指して月面を歩いていきます。「生きる価値の無い人間はいない」と叫ぶタナベに燃え!クサい、と言われようともカッコイイですよ〜断然!ラスト、酸素が終わる手前の究極の選択は、助かると分かっていても緊張感ありありで、手に汗握ってしまいました。イイところで終わったし〜
 そうそう、銃撃戦に巻き込まれたリュシーの、一般人代表としての逞しさも忘れがたいです。コリンはそんな彼女に惚れたんだよね〜きっと。

 25話「惑い人」
 話はいつの間にか、テロ後。ハチマキはめでたくフォンブラウン号の乗組員試験に合格してたけど、心ここにあらずな状態。気晴らしの為に帰郷した自宅で、偶然読んだタナベの遺言状(白紙)につき動かされ行動するところが嬉しいですね。聞き飽きていたはずの「愛」を一言も書いていない事に、何かを感じるのはやっぱりタナベを想ってるから。
 ドボン!と落ちた海中でハチマキが世界と自分の繋がりに気づくシーンは、アニメでやるには難しかっただろうな。でも、とっても優しさにあふれていて良かったです(現実もこうであったらイイけど、なかなか…)。そこへ、偶然通りかかるタナベも定番の展開ながら、車椅子だわヘアスタイル変わってるわで、意外性十分でした(重傷だったのに明るく振舞うタナベに涙)。
 その後のシーン、鑑賞1回目はそれまでの二人の道のりを思い出してどんどん盛り上がっていき、ラスト、ハチマキが涙ぐむタナベの手を握り微笑んだところで、限界点!EDになったとたん、声出して泣いてしまいました(号泣)。実はアニメ(というか映像作品)でボロ泣きしたのは数十年のオタク人生でも初めて(大汗)。いや〜自分でもビックリでした(一緒に見てたダンナも驚いてた)。1話を見た時に感じた予感が当たった訳だ〜すげーよ自分(アホ)それにしても、苦難を経て想いが重なるってホントにイイものですよね…(しみじみ)

 26話「そして巡り合う日々」
 実質的には25話で終わりなんだけど。やっぱ他のキャラも気になるしね。これはファンには楽しい後日談。作品に登場したキャラ殆どについて描いてあるから、実に細かい心配りだと思います。すっかり丸くなったハチマキと、既に奥さんの貫禄十分なタナベを見ると心が和むなぁ〜(これが見たくてDVDレンタル始めたようなもの)。それと、身長が爆!伸びた九太郎(OPで散々見てたけどイケメンだ)に、大物母ちゃんのハルコさん(見習いてぇ〜)はもうサイコー!星野家に万歳ですな〜〜♪いや〜良かった良かった…やっぱハッピーエンドは嬉しいな。

 追記:ここまで読んでくださった方へ…長い感想にお付き合いいただきどうもありがとうございます(汗)。こんなに熱く語っていたとは…参った。谷口監督作品にはいつも感動させられていますが、感動部門(そんなものあるのか?!)ならプラネテスが一番ですね!ちなみに熱血部門(そんなもの…以下略)はスクライドです〜☆あと、忘れてならないのがキャストさん!折笠愛さん&渡辺久美子さんの素敵な大人の女性っぷりや子安武人君の温和なユーリに拍手喝采!!おそらく初主役の田中一成君の頑張りも印象的でした(一成君はコードギアスでも谷口作品に参加しましたね)。


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